HISTORYマルトの歴史
奈良県最古の醤油蔵元
江戸で、上方で、町人文化がにぎやかに花開いた江戸時代初期、元禄年間。
1689年(元禄2年)、木村藤七郎によりマルト醤油は現在の地で醤油の醸造をはじめました。
現存する醤油醸造元では奈良県最古です。
マルト醤油がある田原本は奈良盆地のほぼ中央に位置し、その歴史は弥生時代まで遡ることができます。
東に大和川、中央に寺川、西に飛鳥川が流れ、弥生の昔から豊かな農地が広がっていたと伝わる土地。
この地で、創業以来、地元産原材料にこだわった天然醸造醤油を造りつづけてきたマルト醤油。
丁寧に造られる風味豊かな醤油は皇室御用達でもあり、最盛期には広く県外にも出荷していました。
ところが、第二次世界大戦後の食糧難の影響により、原材料となる大豆や小麦の確保が難しくなります。
代替品では納得のいく醤油造りができないと、17代蔵元当主である木村藤平により、やむなく醤油蔵元としての約260年の歴史を閉じることになったのです。
歴史ある醤油醸造を再興
「260年間、造りつづけた醤油とはどんなものだったのだろう」
それは孫にあたる木村浩幸(18代蔵元当主)により、閉業から約70年の時を経て再興されることになります。
醸造蔵をはじめとする建物、江戸時代から引き継いできた道具類などは、ほぼ閉業当時のまま残されていました。
蔵の中からは、創業年や醸造のヒントなども記された古文書を発見。
もっとも幸いだったのは、かつて醸造蔵だった建物の天井に、300年以上も蔵つき酵母が生きていたことです。
これらをもとに、先祖代々受け継がれてきた製法を再構築。
70年の歳月を越え、創業以来330年をつないで、皇室御用達醤油蔵元として守ってきた奈良 田原本の
地元産素材にこだわった天然醸造製法による醤油を現代に復活させました。
歴史の深みに支えられた「本物」の味わいをもつ醤油を、330年から先へも、変わらずお届けしてまいります。